
イラストレーターになりたいけど、どうやって営業したらいいのか分からない…
イラストレーターになるために絶対に必要となるのが「営業」。仕事を得る上で最も近道なのはやはり「企業への直接営業」です。企業への営業方法には大きく分けで以下の2つの方法があります。
- ポートフォリオを送付する(メール&郵送)
- 持ち込み営業を行う
近年ではSNSやブログ、YouTubeでフォロワーを増やして営業に繋げるという方法もあります。もちろん、その方法も有効です。でも、この方法は成果が上がるまで時間がかかってしまうという欠点もあります。
一方で企業への営業の場合は、うまくいけばすぐに仕事につながることもあるんです。



実際、私も最初の仕事はポートフォリオを初めて送った企業からだったよ。企業への営業は即効性があるよね



だけど、企業への営業ってどうやったらいいの?営業先の探し方も分からないし…
経験がない人にとっては、企業への営業はなんとなく不安…という事もあるかもしれません。でも、企業への営業は業界では当たり前に行われていること。慣れてしまえば誰でも抵抗なくできるようになります。
そこでこの記事では、以下の事について詳しく解説していきます。
- イラストレーターの営業とは
- イラストレーターの営業の準備
- イラストレーターの営業先を探す方法
- イラストレーターの営業を実践する方法
- イラストを売り込むその他の方法
- イラストレーター営業Q&A
この記事を読むことで、イラストレータ―の仕事につなげられる営業方法を理解できます。すぐに実践できるものばかりなので参考にしてもらえると幸いです。



ちなみに私は全くの未経験から「営業だけ」でイラストの仕事につなげて、イラストレーターとして書籍や雑誌の仕事を受けられるようになったよ!
未経験からでもイラストレーターにはなれる!
ライターのプロフィールです


1.イラストレーターの営業とは



そもそも、イラストレーターの営業ってなんなの?



ざっくり言うと、自分のポートフォリオを企業に見てもらうことだよ
「ポートフォリオ」とは、イラストレーターが企業などに作品を売り込むための作品集の事。自分がアピールしたい作品を一冊にまとめたものを指すことが一般的です。ポートフォリオを作ったら、それを企業や売り込みたい相手に見てもらいます。それこそがイラストレーターがやるべき「営業」なのです。
具体的には、以下の2つの方法があります。
- ポートフォリオを送付する(メール&郵送)
- 持ち込み営業を行う
どちらにしても、「最終的にポートフォリオを企業に見てもらう」という意味では同じこと。もちろん、この二つの方法はやり方や効果などが異なりますが、考え方は同じです。



企業に見てもらうって言っても…自分は未経験の一般人なのにどうやってやればいいのか…



私もそうだったから大丈夫!
やり方さえ分かれば誰にでもできるよ
詳しい営業方法に関しては、これから解説していきますね。
ちなみに、未経験からイラストレーターになる方法に関して詳しくは、「未経験からイラストレーターになる方法!求人の探し方や必要なスキルも」でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください!


2.イラストレーターの営業の準備
ここからは、実際にイラストの営業をするための準備について解説します。イラストの営業をするためには以下の3つを用意しましょう。
- ポートフォリオ
- 名刺
- Webサイト
一つずつ解説していきます。
ポートフォリオを作成する
第1章でも解説した通り、ポートフォリオはイラストレーターの作品集の事。いわば、イラストレーターにとっては心臓ともいうべき大切なものです。



え…そんなの、どうやって作ったら良いの…?



そんなに凝って作る必要はないよ。
基本的には、絵が分かれば十分だからね!
イラストのポートフォリオというと、大作や自信作をたくさん載せたりデザインを凝る必要があるのかと思う方もいるようです。しかし実際はそれほど凝りすぎる必要はないのです。


このように、A4サイズの印刷紙にイラストを載せていきます。
載せるイラストを用意する
まずは、ポートフォリオに載せるイラストを用意しましょう。ポートフォリオのボリュームは以下を参考にしてみてください。
ページ数 | 15~20p |
点数 | 10~20点 |
載せるイラストのタイプによって、点数は大幅に前後します。例えば小さなカットが得意な方は点数が増えるでしょうし、一枚絵のような作品が多ければ点数は減ります。
そのため、上の点数はあくまでも目安してバランスを見て決めてください。
イラストを用意するときには、様々なニーズに合ったイラストを用意しましょう。
例えば制作に数十時間かかるような大掛かりなイラストは、例え魅力的な作品であっても依頼し辛いのが現状です。企業側は最初は小さなカットから依頼する事がほとんど。大作や一枚絵とともに、小さなカットも数点用意しましょう。
また、いくつかモノクロのカットやイラストを入れておくのもおすすめです。イラストを用意する時には、企業側のニーズを考えながら制作すると良いでしょう。



ただし、無理にタッチを変えたりする必要はないよ!自分らしさを損なわないようにしつつ、幅広いニーズに応えられるようにしよう
Photoshopなどで編集を行う
イラストを用意したら、Photoshopなどで編集を行いましょう。



編集って…自分、デザインの勉強とかしたことないんですけど…



大丈夫大丈夫。普通に絵が見やすければそれでOKだよ
作品は1ページに多く載せすぎないようにしましょう。目安としては、1ページ1~3点ほど。小さめのカットならもう少し増やしてもいいですが、あくまでも「見やすさ」を重視してください。
ポートフォリオはあくまでも絵を見せるための作品集です。時々、ものすごく凝った作りのポートフォリオを作る方もいますが、はじめはそこまでする必要はありません。シンプルに、イラストと使用ツールなどが分かる程度で十分です。
凝ったポートフォリオを作るのは、実績を貯めてからでも十分です。実績が十分の方でもシンプルな作る人もいますし、そこは人それぞれ。ただし、最初の段階で凝りすぎる必要はありません。



その時間やお金があるなら、駆け出し時代はイラストを練習した方が有意義だと思うな
もちろん、ある程度実績を作ってからポートフォリオに凝る!というのはOKです。
印刷してファイルに入れる
編集が終わったら、プリントアウトしてファイルに入れましょう。おすすめは、PhotoshopからPDFに出力してAdobe のAcrobat DCで編集する事。


ページ番号をワンタッチで入れてくれたり、ページの順番を変える事もできるので便利です。また、郵送ではなくデータで企業に送る場合もPDF出力する必要があります。



私はAcrobat DCなしでは生きていけません!
完成したらカラー印刷します。できるだけきれいに印刷したい所ですが、プリンターもインクもプロ向けのものはかなり高いので、最初は家庭用でも十分です。



私も、家庭用のプリンターを使っているよ!
ちなみに、印刷用紙だけは少しいいものを使っています。いつも使っているのは以下の用紙。EPSONプリンターじゃなくてももちろん使えるし、とってもおすすめです。
ファイルも10ポケットの無地のものを使っています。
より詳しいポートフォリオの作り方に関しては、「イラストのポートフォリオの作り方!未経験者でも仕事が取れるコツも解説」で解説していますので参考にしてみてください。


名刺を作る
営業する前に必ず用意すべきものが、名刺です。対面での営業では必須ですし、ポートフォリオの送付の場合にも数枚入れると良いでしょう。
名刺は一目見れば覚えられるような印象的なものがおすすめです。



私は、以下のようなデザインにしているよ


やっぱりイラストレーターだったら自分のイラストを入れたいですよね。
名刺は様々な印刷屋さんで作ることができますが、私はビスタプリントというサイトで作っています。自分のデザインした名刺を作るのも簡単だし、もしデザインに不安があればおしゃれなテンプレートも多数用意されています。
値段もリーズナブルでサイトも分かりやすいので、とってもおすすめです。
Webサイトを作る
ポートフォリオとともにWebサイト(ポートフォリオサイト)も作りましょう。



僕はインスタやってるから、必要ないよね!



うーん、できればSNS以外にポートフォリオサイトを作った方がいいな
ポートフォリオサイトはいわばデジタルの作品集。どんなサイトにするかもイラストレーターの世界観を表すのにとても重要な役割を担います。面倒でも、ポートフォリオサイトは作るようにしましょう。



ポートフォリオサイトって…全然作り方分からないよ…



大丈夫、今はサイトを作るサービスがいろいろあるから安心して良いよ!
ポートフォリオサイトと言っても、Webデザインからこだわる必要はありません。今はWebサイトを作るサービスが増えているため、そうしたフォーマットで作るのでもいいでしょう。



私は、Adobe Portfolioを使っているよ!Tumblerとかでもいいね



え!
サイトを作るなら独自ドメインって聞いたんだけど…



独自ドメインに越したことはないけど、必須ではないと思っているよ
ポートフォリオサイトを作るなら「独自ドメイン」が必要という事はよく話されています。
独自ドメインとは、自分だけのドメイン(ホームページのURL)のこと。
例えば、このブログのドメインは「nitari-movies.com」ですが、これは自分で取得して設定したものです。
アメブロでブログを開設した場合、URLは「https://ameblo.jp/○○(ユーザー名など)/」となります。「ameblo.jp」という文字列は消すことができず、こちらは独自ドメインではありません。
独自ドメインにする事のメリットとしては、主に以下の事が挙げられます。
- ブランド力が上がる
- かっこいい(割と重要)
- サイトが閉鎖する不安がない
自社ホームページのURLで独自ドメインを取得しない企業はありません。ブランド力と公式性から言えば明らかに独自ドメインが有利です。
とはいえ、私自身は何が何でも独自ドメインにする必要はないと考えています。実際、トップのイラストレーターでtumblerなどでポートフォリオサイトを作っている人は意外と多いものです。
独自ドメインの設定は結構ややこしいので、独自ドメインにとらわれる必要はないかなという感じです。私も、このブログは独自ドメインですがポートフォリオサイトはAdobe Portfolio。独自ドメインではありません。



独自ドメインでサイトを開設するなら、Wordpressがおすすめかな。ブログも作れば集客もできるし、有利な点は多いよ。
もしブログをポートフォリオサイトとして利用するのであれば無料ブログにはしない方が良いでしょう。無料ブログには以下のような特徴があるからです。
- 無料ブログはデザインの編集が細かくできない
- 広告が張られてしまっている事が多い
- イラストを見せやすいフォーマットではない
以上の事から、ブログなら独自ドメインを取得してWordpressでサイトを開設しましょう。Wordpressでのポートフォリオサイトやブログ開設に関しては、第6章でも詳しく解説していますので参考にしてみてください。
3.イラストレーターの営業先を探す方法



さて、いよいよ営業先を探す方法を解説するよ



待ってました!
イラストレーターの営業先を探す方法は、主に以下の3つがあります。
- 知っている雑誌で調べる
- 書籍で調べる
- インターネットで検索する
どちらも有効な方法なので、併用して探してみましょう。
雑誌や書籍で調べる
まず一番有効で手っ取り早い方法として、「雑誌や書籍で調べる」という方法があります。自分が知っている、または掲載したい雑誌をリストアップする方法です。



やってみたけど、3つくらいしか上がらなかったよ…



本屋さんに行ったり、「楽天マガジン」などでまるっと調べる事がおすすめだよ
ほとんどの雑誌や書籍は、最後のページに編集部の電話番号が載った「奥付」があります。その電話番号をメモしてリストアップするのが最もおすすめな方法です。


雑誌であれば「楽天マガジン」に入会すれば、月額418円(税込)で700誌以上を自由に読むことができます。その中から、自分のイラストの雰囲気に合っているものを選んでリストアップするのがおすすめです。



わざわざ書店で雑誌を調べなくても一発で連絡先が分かっちゃうからね!
電話番号ではなく、雑誌名で出版社を探す方法ももちろんあります。しかし、編集部に直通の電話番号は実際の雑誌や書籍にしか記載がないこともあるのです。できるだけ編集部直通の電話番号を入手する方が有利です。
出版社によっては電話番号が公表されておらず、問い合わせフォームからしか連絡できない事も。しかし、できる限り直接電話で連絡した方が有利です。



直接電話はハードルが高いんだけど…



ハードルが高いからこそそうやって応募する人が少ないんだよね。他との差を出すならなるべく電話した方がいいよ
電話で直接編集者と話すことができれば、誰宛に応募するのかや、応募のフォーマット(メールか郵送か)を直接聞くことができます。時には、編集者直通のメールアドレスを教えてくれることも。
一方、問い合わせフォームからだと誰でも簡単に応募できますし、イラスト応募以外の膨大な問い合わせに紛れてしまう事もあります。
苦手でもなるべく電話する方が、圧倒的に有利です。



私は出版社や編集プロダクションだけで、100以上の営業先リストを作ったよ
ここまで読んだ人の中には、「本屋で電話番号をメモるって…いいの??」と思う人もいるかもしれません。実は、書籍や雑誌の出版社情報などを表す「奥付」は著作権がないため、電話番号や書店をメモする事は問題ありません。
ただし、傍から見ればどこをメモしているのかは分からないので…なるべく目立たないようにメモした方が無難ではありますね(笑)
インターネットで検索する
営業先をインターネットで検索するのもおすすめの方法です。



検索するって、何をどう検索すればいいのやら…



検索するキーワードの選び方にコツがあるんだよ
やみくもにインターネットで検索をかけるとその結果が膨大になってしまい、逆にどこに営業をすればいいのかが分からなくなってしまいますよね。そこで、まずは営業をかけるべき企業のカテゴリーを絞ってみましょう。
例えば、イラストレーターが仕事を受けられる企業には以下のようなものが挙げられます。
企業のカテゴリー | もらえる仕事の内容 |
---|---|
出版社 | 書籍、雑誌など |
編集プロダクション | 書籍、雑誌、広告など |
広告代理店 | 広告、パンフレット、ポスター、チラシなど |
デザイン事務所 | デザインにかかわるイラスト全般 |



イラストの仕事って言っても、いろいろなジャンルがあるんだね



そうなんだよ。この企業のカテゴリーが分からないと、どうやって検索をかければいいのかもわからないよね
編集プロダクションは、書籍や雑誌を制作する下請けの会社のこと。大手の出版社は書籍の企画や制作の大部分を編集プロダクションに委託することもあります。
実はこの編集プロダクションこそ、駆け出しのイラストレーターが仕事を受けられる間口になってくれることが多いのです。大手の出版社は、駆け出しのイラストレーターの面倒を見たりはしません。実際に書籍を作る編集プロダクションがイラストレーターを探して、仕事を斡旋するのです。
このため、出版社よりも編集プロダクションの方が仕事を取りやすいことも多いのです。



実際に私が書籍のイラストの仕事を受けた多くが、編集プロダクションからの依頼だったよ!
企業のカテゴリーが割り出せたら、さっそく検索を始めてみましょう。とはいえ、Googleに「出版社」「編集プロダクション」「広告代理店」と入力すると、それこそ膨大な結果がヒットしてしまいます。
検索結果を絞るためには、「複合キーワード」が有効です。「複合キーワード」とは、「出版社 ○○」といったようにいくつかのキーワードを組み合わせたものです。
例えば、「出版社 ビジネス書」といったような、自分が描きたい書籍のジャンルを検索してもいいですし、「編集プロダクション 千代田区」というように地域で区切ってもいいかもしれません。



広告代理店の場合は、自分の住んでいる地域の近くとか地方とかで調べてみてもいいかも!
また、イラストレーターを募集している企業を直に探してみるのもおすすめです。とはいえ「イラストレーター 募集」といったキーワードだと求人サイトやエージェントが出てきてしまいます。
ここでおすすめのなのは「外部パートナー」「外部スタッフ」といったキーワードです。企業はイラストレーターなどを自社のHPで探す時にこのようなキーワードで募集します。これらを組み合わせて検索をかけることで、イラストレーターを募集している企業を直に検索することも可能となるのです。
「出版社 ○○(書籍のジャンル)」「出版社 ○○(地域)」「広告代理店 ○○(地域)」「広告代理店 外部パートナー」「外部パートナー募集」「イラストレーター 外部パートナー」etc.
このようにして営業先リストを地道に作っていきます。



私の場合は合計で200以上の企業をリストアップしたよ!
4.イラストレーターの営業を実践する方法
営業先が決まったら、いよいよイラストの営業を実践していきましょう。イラストの営業には、以下のようなステップがあります。
- 電話かメールで連絡する
- 持ち込み営業をする
- ポートフォリオを送付して営業する
- アフターアプローチをする
それぞれのステップを詳しく解説していきます。
電話かメールで連絡する
まずは電話かメールで企業に連絡を取りましょう。
出版社の場合は、特別な理由がない限り電話で連絡をするのがおすすめです。出版社はイラストレーターへの対応にも慣れていることが多いですし、嫌な対応をされることは少ないです。逆に凄く丁寧な対応を受けられることもあるくらいです。



売り込みとか怖いな…って思ってたけど、それなら頑張ってみようかな
電話で編集者と直接話ができる場合には、できるだけ持ち込みの営業をお願いしてみましょう。大手の出版社であればあるほど、対応が確立していますのですんなり持ち込みを受けてくれることも多いです。
断られる場合でも、どこに送付すればいいのかなどは教えてくれるので、有利に働きます。



地方在住で持ち込みはできないから、初めからメールでいいよねー



地方在住でも、電話連絡してファイルの送付先を聞いたほうが絶対に有利だよ!
ここまででも解説した通り、電話で送付先を聞くことはとても重要です。もともと持ち込みをする予定がなくても、出版社や編集プロダクションには電話で連絡をする用意しましょう。
広告代理店やデザイン事務所に売り込む場合は電話でなくでもいいと思います。出版社に比べて規模の小さな企業も多く、イラストレーターへの対応に慣れていないこともあるためです。



売り込みの電話をしても「問い合わせフォームから問い合わせてください」と言われることが多かったので、広告代理店やデザイン事務所は電話での売り込みは辞めちゃったよ!
フリーランスの営業メールの書き方に関しては、「フリーランスの営業メールの書き方」でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください!


持ち込み営業をする
持ち込みのアポイントが取れたら持ち込み営業をします。このときに必要なのは、先ほども紹介した以下のアイテム。
- ポートフォリオ
- 名刺
この二つは絶対に必要となりますので必ず用意しましょう。
出版社へは遅刻しないよう、30分前には最寄り駅に到着していることが理想です。多くの出版社は入口で入館の手続きがあります。手続をしてから編集部へ赴きましょう。



編集部に持ち込みするって…なんかめちゃくちゃ怖いんだけど…



私の経験上、持ち込みを受けてくれる編集者は丁寧な人が多かったよ
コンプライアンスが理由なのか、私が持ち込みでお話した編集者はほとんどかなり丁寧に対応をしてくれました。どちらかといえば「来客」扱いです。なので安心してアプローチしてみてくださいね。



実際に仕事につながることもあったけど、とにかく良かったのは編集者のアドバイスだったよ
中には、なんと1時間もかけてアドバイスをしてくれる人もいました。ほぼすべての持ち込みでかなり有益な情報を得ることができ、その後のポートフォリオのブラッシュアップに大きく役立ちました。その経験がなければ今の自分はいなかったというくらいです。
首都圏に住んでいる方で持ち込みが可能な場合は、最初は迷わず持ち込みをしましょう。
ポートフォリオを送付して営業する
企業への直接持ち込みができなかった場合などの場合、ポートフォリオを送付して営業をします。この場合、以下の2つの方法で送付する流れになります。
- 郵送で送付
- メールで送付
それぞれ解説していきます。
郵送で送付する場合
郵送で送付するのは、基本的には編集者から「郵送で」と指定された場合に限ります。イラストレーターを募集していない企業へ断りなく直接の送付するのは、迷惑になる可能性もありますので控えましょう。
ファイリングしたポートフォリオに名刺を数枚、それから「送付状」を一枚入れて送付します。何も入れずに送ってしまうと、受け取った側も「これは何のファイル?」と混乱されてしまいます。送付状を入れることで、誰が誰に何を送付したのかが分かるようになるのです。
メールで送付する場合
メールでの送付を指定された場合や、広告代理店やデザイン事務所に直接ポートフォリオをメールで送る場合はデジタルのポートフォリオを送ります。
デジタルのポートフォリオには以下の2つの種類があります。
PDFのポートフォリオ | ポートフォリオをPDFデータ化したもの。容量が大きい場合は送る方法を工夫する。 |
ポートフォリオサイト | ポートフォリオサイトのURLを教える |
企業の方や編集者は基本的に「ポートフォリオを送ってください」とだけ指定することが多いです。この場合はできるだけPDFのポートフォリオを送付した方がいいでしょう。企業によっては、PDFのポートフォリオをプリントアウトして管理していることもあるためです。PDFデータを送付する場合は、ファイルのサイズに注意しましょう。



私はGoogleドライブにアップロードして共有しているよ!
メールで送付する場合、エラーなどがあった時のことを考えてファイルのほかにポートフォリオサイトのURLも記載しておきます。そうすることで、万が一ファイルが開かなかった場合でも自分のサイトで作品を見てもらえるからです。
アフターアプローチをする
持ち込みやメールで売り込みを行った後には、アフターアプローチを行いましょう。



えー、営業したんだからもういいじゃん…



甘い! ちゃんと後からも連絡を取ることで印象付けないとダメ!
営業をすればすぐに仕事がもらえるかといえば、そんなことはありません。むしろ、ほとんどがスルーされるという厳しい世界です。そんな中で企業側に自分を印象付けられるとしたら、アフターアプローチに次ぐアフターアプローチです。
例えば、持ち込みをした時に編集者からポートフォリオの改善のアドバイスをもらったとしたら、すぐにそれを実践して新しいポートフォリオを送付します。
送ったメールに返信がなければ(ほとんどの場合返信はありません)、1週間後くらいに「ご覧いただけましたか?」という催促のメールをするのも有効です。



これは実は私はできていないのですが…やった方が有効だとは思います
その他にも、定期的にポートフォリオの内容を見直して、アプローチをした全ての企業に再度アプローチをかけます。



大体3カ月~半年に1度はポートフォリオを見直して再度営業したり、新しい営業先を開拓しているよ
それを繰り返すことで、仕事は徐々に受けられるようになります。そうなるまで、絵の練習を地道に行い、気長にアプローチし続けましょう。
5.イラストを売り込むその他の方法
それではここからは、企業への営業以外でイラストを売り込む方法を解説していきます。具体的には、以下の6つの方法があります。
- SNSで発信する
- ブログを開設する
- イラストエージェントに登録する
- クラウドソーシングを利用する
- 素材サイトに登録する
- コンテストに応募する
SNSで発信する
SNSで発信するのは、現代においてとても有効な宣伝方法です。SNS発信が上手な人の中には、「一度も営業活動をせずにイラストレーターになった」という人もいます。
SNSで魅力的なイラストを載せ続け、フォロワーを増やせば企業の目に留まりやすくなり、仕事を得られる可能性も高まります。また、ファンを作ることができればオリジナルグッズの販売なども可能に。向いている人にとっては有効です。
ただし、SNSでの発信と企業への営業、どちらがより効率的かといえば、ほとんどの場合が企業への直接営業です。SNSは正しくマーケティングを行わなければフォロワーを増やすことは簡単ではありません。また、もしもバズってフォロワーが増えたとしても、企業の目に留まるかどうかは時の運だからです。



私が持ち込みをした有名雑誌の編集者は、「SNSで探すことはほとんどない」と言っていたよ
この辺りはイラストタッチとSNSとの相性もあるでしょう。いわゆる「絵師」タイプの人はSNSとの相性はすごくいいので、企業へのよりもむしろ効果は高いかもしれません。
絵師タイプではなく、雑誌や広告で採用されたい商業イラストタイプの人は、SNSと合わせて企業への営業をすることをおすすめします。



私ももともとはSNSの運営が苦手だったんだけど、最近力を入れるようにしているよ



良かったぜひのぞいてみてね!
ブログを開設する
ブログを開設してイラストを宣伝する方法も有効です。ブログの場合もSNSと同じでマーケティング方法が確立しており、うまくいけば集客ツールとして機能させることができます。
このブログのように、自分のノウハウをイラストにしてコンテンツを制作していけば、自然に集客できるようになります。しかもブログは自分のイラストだけでなく、アフィリエイトやアドセンス広告での収入も見込めます。
副業としてブログを運営している人も多いだけあって、イラストを使った収益化という意味では勉強になることも多いでしょう。ぜひ、挑戦してみてください。
イラストレーターのブログ開設に関して、詳しくは「イラストブログで作品を公開して稼げるのか?作り方と収益化を解説」でも解説していますので参考にしてみてください。


イラストエージェントに登録する
イラストエージェントに登録することで仕事を得やすくなります。登録することができれば、自分のイラストに合った仕事をあっせんしてくれるようになります。
仲介業者が入ってしまう為、直接依頼よりも報酬は下がりますが、仕事自体は探しやすくなるためお勧めです。
クラウドソーシングを利用する
イラストの仕事の実績がない人であれば、クラウドソーシングサイトを利用するのもおすすめです。
クラウドソーシングとは、インターネット上で企業が不特定多数のユーザーに業務を発注する事。それを可能とするのが、「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったクラウドソーシングサイトです。
クラウドソーシングサイトには様々な案件が募集されています。まだイラストの実績のない人は、ここで実績を作るのもいいでしょう。



気軽にできそうだし、やってみるよ!



ただし、質の低い案件も多数あるから注意した方がいいよ!
駆け出しのころは、受注側が仕事が欲しいあまりに企業の言うことをなんで聞いてしまう、ということも起こってしまいます。低単価な仕事や質の低い仕事がかなり多いので、クラウドソーシングサイトは経験の一つと割り切り、収入の場とすることはおすすめできません。
素材サイトに登録する
Adobe Stockやピクスタなど、イラストの素材サイトに登録して販売する方法もあります。1点ずつの報酬は低いのですが、ニーズが高く高品質なイラストを作る必要があるため、挑戦し続けることで画力が高まります。
制作したイラストはポートフォリオにも入れることができるため、経験としてはおすすめの方法です。
コンテストに応募する
イラストのコンテストに応募して、受賞できればそれだけで大きな実績になります。
イラストのコンテストは常に様々なものが開催されています。イラストだけでなく、絵本などのコンテストもあり、受賞できればすぐに製品化などの特典があることも。企業への売り込みにも優位に働くこともあるでしょう。
当然のことながら受賞することは簡単ではありませんが、応募用の作品を本気で描く、というだけでも大きな経験になるはずです。
6.イラストレーターの営業Q&A
それでは、ここからはイラストレーターの営業のQ&Aとしていくつかの疑問に答えていきますね。
7.まとめ
以上、この記事ではイラストレーターの営業方法について詳しく解説してきました。とにかく私が言いたいのは、未経験でもしっかり営業すれば仕事につながる!ということです。
具体的には、以下の内容がお分かりいただけたかと思います。
- イラストレーターの営業とは
- イラストレーターの営業の準備
- イラストレーターの営業先を探す方法
- イラストレーターの営業を実践する方法
- イラストレーターの営業のコツ
- イラストを売り込むその他の方法



ぜひ、この記事を生かしていただけると幸いです。
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