
イラストレーターにイラストを依頼したいんだけど、どんな流れでどうやってやればいいの?
今までイラストの依頼をしたことがなかった企業や個人にとって、「どんな流れで依頼するのか?」というのは意外と分からないもの。
結論から言うと、イラストレーターにイラストを依頼する場合は以下のような流れになることが一般的です。
- イラストレーターとコンタクトを取る
- 見積もり
- 依頼決定・契約書締結
- 具体的なイメージの共有
- ラフ作成
- 完成作品作成
- 納品・入金
企業によって異なることもありますが、原則的にはこのような流れとなることが多いです。
イラストを依頼する場合に注意する点としては、「依頼に必要な情報をあらかじめ検討しておく」ということです。



どんなイラストにしたいのか、いつまでに欲しいのかというイメージを具体的にして伝えることが重要!
そうした準備をきちんと行わないとイラストレーターにイメージが伝わらず、何度も修正を依頼したり場合によっては修正費用を出さなくてはならないことも。
準備をちゃんとしないと余計な時間や費用が掛かる可能性がある
そこでこの記事ではイラストを依頼する流れを中心に、イラストを依頼する場合に注意すべき点やイラストレーターの選び方など、以下の内容を詳しく解説していきます。
- イラストレーターにイラストを依頼する流れ
- イラストを依頼するときに決めておくべきこと
- 依頼するイラストレーターの探し方
- イラスト依頼におすすめクラウドソーシングサイト
この記事をお読みいただくことで、イラスト依頼に関する情報はすべて網羅できると思います。ぜひこの記事を参考に、イラストレーターへの依頼を具体的に検討してみてください!
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イラストレーターにイラストを依頼する流れ
それではさっそく、イラストレーターにイラストを依頼する流れを詳しくみていきましょう。ここでは実際に依頼したいイラストレーターが見つかったという前提で解説しますね。



イラストレーターの選び方に関しては後でじっくり解説します!!
まずは、依頼するイラストレーターにコンタクトを取ります。
イラストレーターが公式サイトを持っている場合には問合せフォームから問い合わせを行うことが一般的です。
SNSで見つけた場合にはDMを利用することも多いですね。
イラストレーターが企業にイラストレーターエージェントに所属している場合は、エージェントに問合せを行います。
イラストレーターに連絡をする際には、一緒に見積もりを提示することが一般的です。
イラストの依頼に慣れておらず見積もりが立てられない場合、イラストレーター自身に予算を聞く場合もあります。
ただイラストの費用は媒体などよっても大きく異なるため、イラストレーターには提案しづらいもの。できるだけ企業側が予算を提示する方がいいでしょう。
イラストの依頼費用の相場などについて詳しく知りたい場合は、「イラスト依頼の費用相場はいくら?制作費の基準やおすすめサービスも紹介」でも解説していますので参考にしてみてください。


見積もりやスケジュール感などで合意がなされたら、依頼を決定して契約書を締結します。
企業によっては契約書を交わさずに依頼する場合もありますが、トラブルになる場合があるので必ず締結しましょう。



契約書を締結しないとバックレなどのリスクが出てきます
もしも納期の都合上、正式な契約書の締結が難しい場合には条件を明らかにする「依頼書」のようなものを発行して合意を得るようにしましょう。
またこのときにはイラストの修正回数や、修正が多くなった場合などのオプション料金なども設定しておくことがおすすめです。
イラストの制作を開始します。まずはイラストレーターに具体的なイメージを伝えましょう。
伝え方はいろいろありますが、実際のイラストのイメージをGoogle画像検索などで引っ張ってきたり、実際の書籍や雑誌から引っ張ってくるなどが分かりやすいです。
構図などを決める場合には、担当者がざっくりしたイメージを作って伝えることもあります。
具体的なイメージを共有できたら、ラフ作成に入ります。
ラフとは、以下のような「下書き」状態のイラストです。


ラフは上記のように、基本的には白黒で描かれることが一般的です。
構図や全体的な修正がある場合、ラフの段階で修正依頼を行います。ラフの段階で修正部分は清書の段階で修正することは基本的にありません。
またラフが提出されてイメージに合わなかったとしても、すべて書き直しをすることも原則NGです。



例えば上のラフ画像で、キャラ3人を全部消してやっぱり女性1人にしてください、といった大幅な修正はNG!
依頼側はイラストレーターに基本的な情報はすべて渡した状態でラフ制作に入ります。
そのため、もしもイメージと違ったとしても依頼側の想定不足か打ち合わせ不足と思って、追加代金を支払って全修正を依頼するか微調整にした方がいいでしょう。



上のラフ画像だったら「真ん中のキャラだけ女性にしてください」とかはアリです
ラフでイメージが固まったら、完成品制作に進みます。
完成品が出来上がった時点で、カラーやペンなどで修正したい部分に修正依頼をします。


ラフのステップでも解説したのですが、この段階まで進んでから根本的な構図や表情など、ラフで修正できた部分の修正は基本的に行いません。
基本的にはペン入れとカラーのちょっとした修正が主になります。



私の経験上では清書してからの修正って実はほとんどないんだよね。塗り残しとかくらいかな?
イラストの完成品が出来上がったら納品となります。
納品出来たら、イラストレーターに納品受託の連絡を行います。イラストレーターには請求書を発行してもらい、期日までに入金して完了です。
イラストを依頼するときに決めておくべきこと
それではここからは、イラストを依頼するときにあらかじめ決めておくべきことを解説します。
イラストを依頼するときに決めておくべき要素としては、主に以下の5点が挙げられます。
- イラストの具体的な内容
- イラストの使用目的
- スケジュール
- 支払い方法や期日
- 修正の回数
イラストの具体的な内容
まずは何よりも具体的なイメージを固めておく必要があります。



具体的なイラストの内容って言っても、逆に何が知りたいのか教えてほしい…



いろいろな企業とやり取りをして必要と感じた項目をリストアップするね!
- イラストの見た目のイメージ(見本や構図を用意)
- 依頼するイラストの点数
- 依頼するイラストのサイズ
- イラストのファイル形式
- イラストのカラー形式
それぞれについて解説していきます。
イラストの見た目のイメージ
まずは、イラストの見た目のイメージを固めておきます。
第一章でも解説した通り、イラストの見た目のイメージをきちんと伝えることは重要です。
よくある方法としては、既存の書籍や雑誌を見せてイメージを伝えたり、Google画像検索でイメージに近いイラストを渡すなどがあります。
イメージに近いものがなければ、担当者がラフイメージをざっくりと作ってもいいでしょう。
イラストのクオリティがどうなるかは、イメージをいかに伝えるかにかかっています。ここで失敗してしまうと思うようなラフが上がって来ず、修正を増やしたり妥協する必要が出てしまうからです。
イメージが伝わりそうな資料をなるべく多く集めて、イラストレーターに渡しましょう。



あとは「イラストレーターを信頼する」のも重要かもしれません
完全にすべてを思い通りにしようとするのではなくて、「大体こんな感じになればOKかな」という感じに思っておくといいかもしれません。
依頼するイラストの点数
依頼するイラストの点数もしっかりと伝えましょう。具体的な点数が分からない場合にも、「大体何点になるのか」ということを伝えます。
その上で報酬は点数によるものなのか、グロス(全部まとめた金額)になるのかも提示しましょう。
例えば…
イラスト点数…30点(予定)
イラストの点数は前後する可能性があるため、追加する場合には1点につき4,000円で計算させていただきます。
イラスト点数…30点(グロス)
イラスト点数は前後する可能性があります。今回の場合は点数ではなくグロスで120,000円でお願いいたします。
依頼の段階でこのように伝えておき、実際に依頼する段階になったら契約書や発注書で正式な書面にしましょう。
ちなみにグロスではなく点数で発注する場合は、「点数が減ってしまった場合はどうなるか」ということも伝えておきましょう。
数点減ってしまう場合に問題になることは少ないと思いますが、10点といった大きな単位で減ってしまうとトラブルになる可能性があるためです。
依頼するイラストのサイズ
依頼するイラストのサイズについても事前に伝えておくといいですね。
ただし例えば書籍などの場合は大きくても数センチなので、それほどサイズにこだわる必要はないかもしれません。



点数が多い場合にも特に全部のサイズを事前に伝える必要はありません!
注意すべきはポスターや大型本などの制作の場合。特に、アニメ系のイラストなど描きこみが多い場合はイラストサイズが大きければ大きいほど制作に時間がかかります。
イラストのファイル形式
イラストのファイル形式も事前に伝えておきましょう。
多くの場合はPsdファイルかAiファイル、jpegやpngになります。
印刷用の場合はPsd、Webイラストの場合はAiファイルになることが多いですね。ファイル形式は後から変更ができないことも多いので、必ず事前に伝えておきましょう。
イラストのカラー形式
イラストのカラー形式も事前に決めておきます。
イラストの保存形式をRGBにするのかCMYKにするのか。また4C(フルカラー)なのか2C(2色)なのか1C(1色)なのかなど、カラー形式を決めておく必要があります。



RGB?CMYK?何のこと??



イラストの色データのことだよ!
イラストの色データに関しては、ものすごくざっと説明すると以下のような感じで使われます。
RGB形式…主にWebなどで使用
CMYK形式…主に雑誌や書籍などの印刷物で使用
大変ざっくりとした解説になりますが、イラストの依頼をする場合にはデータの形式に関しては必ず聞かれますので、きちんと把握しておく必要があります。
イラストの使用目的
イラストの使用目的を伝えます。



使用目的ってどういうこと?



すごくシンプルに、書籍に使うとか雑誌に使うとかチラシに使う、といったことだよ!
どんな企業でも使用目的が先に合ってイラストを依頼することになると思いますので、この辺りは問題ないですね。
注意点としては、いくつかの媒体で利用したい場合。
著作権の関係があって使いまわしは原則的にできません。
複数回利用したい場合にはその旨も伝え、その都度使用料を支払うといった手続きが必要になります。
スケジュール
イラスト制作のスケジュール感についてもしっかり伝えましょう。
この場合、「ラフの締め切り」と「本番の締め切り」の二つを設定しておきます。
書籍や雑誌のイラストの場合は最終締切がはっきりしているため、ラフから清書まで時間をある程度確保しやすい傾向にあります。
広告の場合は完成までのスパンが短いことがありますよね。そういう場合にもあらかじめイラストレーターには、「十分な時間が確保できないかもしれない」ということを伝えておくといいですね。



私も広告イラストを制作したときには、ラフのOKが出るまで数週間かかった挙句に「清書は2日後までにお願いします」と言われて「えええ!!」ってなったことがあるよ…
支払い期日
支払い期日も事前に伝えるようにしましょう。
多くの場合は納品された月末締めの翌月払い、ということが多いですね。もしくは、制作物が出版された月の末に締めて、翌月払い、ということもあります。
支払い期日に関しては「こう」という決まりはないため、企業の都合に合わせてもらってOK。
ただ、あまりにも入金が遅くなる場合には事前に「○○月に入金します」と伝えておくとトラブルになりにくいです。
修正の回数
第一章でも解説した通りですが、修正の回数はあらかじめざっくりと伝えておくことが無難です。
とはいえ、実は出版業界(私のようなシンプルなイラストは特に)の場合は修正回数を事前に設定することは少ないです。
なぜなら、シンプルなイラストの場合は修正が難しいわけでもなく、依頼する側にも特に強いこだわりがないため複数回の修正になること自体が少ないのです。
修正回数が問題になるのは、おおむねアニメ系などの複雑なイラストの場合。アニメ系のイラストは制作に時間がかかりますし、複雑な工程となることも多いです。
また依頼する側にも強いこだわりがある場合も多いため、「どうしても自分のイメージに近づけたい」となってしまうことが多いんですね。
アニメ系など複雑なイラストを依頼する場合や、自分に強いこだわりがある場合には事前に修正回数を設定した方がトラブルは少なくて済みます。
依頼するイラストレーターの探し方



そもそも、どうやってイラストレーターを探せばいいのかわからない…
そんな人のために、ここかからはイラストレーターの探し方について詳しく解説していきますね。具体的には、イラストを依頼する場合には大きく分けて以下の3つに分けられます。
- フリーランスに依頼する場合
- イラスト制作会社に依頼する場合
- ストックイラストで購入する場合
それぞれ、詳しく解説していきますね。
ちなみに、それぞれの場合の費用相場やメリット・デメリットに関してより詳しい内容は、「イラスト依頼の費用相場はいくら?制作費の基準やおすすめサービスも紹介」でも解説していますので参考にしてみてください。


フリーランスに依頼する場合
まずは、フリーランスに依頼する場合を見てみましょう。
自社にフリーランスがおらず、イラストを外注する場合はフリーランスに依頼する場合が最も多いと言えます。
クラウドソーシングサイトを利用する
フリーランスイラストレーターを探す場合で使いやすいのが、ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトを利用することです。
クラウドソーシングサイトの場合のメリットとしては、個人を探して発注するのではなく不特定多数に向けてイラストを依頼できる、という点にあります。
またクラウドソーシングサイトの場合は案件よりもワーカーの方が多いため、比較的安価に発注できる傾向にあります。
イラストの内容 | プロジェクト形式の場合 | コンペの場合 |
---|---|---|
イラスト制作 | 3,000円~ | 10,000円~ |
ロゴ制作 | 10,000円~ | 25,000円~ |
キャラクターデザイン | 10,000円~ | 25,000円~ |
ちなみに、「プロジェクト形式」と「コンペ形式」は発注する場合の形式の違いです。
クラウドソーシングサイトで依頼する場合のより詳しい内容については、次章でも解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
SNSでイラストレーターを探す
フリーランスのイラストレーターを探す方法としては、SNSを活用する場合も近年増えています。
この場合TwitterやInstagramが利用されることが多いですね。
SNSを利用するメリットとしては、有名なイラストレーターに依頼できる可能性があるということ。SNSでは比較的簡単につながることができますので、予算によっては有名イラストレーターに仕事を頼むこともできます。
SNSを利用するデメリットとしては、信頼性が分からないという点でしょうか。
フォロワーの多いイラストレーターなどの場合は問題ないかもしれませんが、フォロワーが少ない場合はその程度信頼感を持って仕事を依頼できるのか図るのが難しいですよね。



SNSを利用する場合は特に、契約をしっかりしておいた方がいいかもしれません!
イラスト団体のHPで探す
イラスト団体のHPで探すこともおすすめの方法です。
イラスト団体とは、例えば「イラストレーターズ通信」などのことです。
こうしたイラスト団体は、イラスト制作会社とは違って依頼する場合にイラスト制作会社に仲介手数料が発生しません。そのため、質の高いイラストレーターに比較的安価で依頼できるのが魅力です。



かくいう私も「イラストレーターズ通信」の会員だよ!


イラスト制作会社に依頼する場合
イラスト制作会社に依頼する方法も紹介しますね。
イラスト制作会社に依頼する場合のメリットとしては、信頼性が高いという点が挙げられます。
イラスト制作会社の場合は企業自体に経験があるため、品質も安定しており、コミュニケーションや契約面でもトラブルが起こりにくいわけです。
一方のデメリットとしては、イラストレーターだけでなく制作会社にもマージンが入るため、費用が高くなるという点が挙げられます。
ストックイラストで購入する
PIXTAのようなストックイラストで購入する方法もあります。
ストックイラストとはイラスト素材サイトで、サイト内にある好きなイラストを購入するというシステムになっています。
メリットとしては、好きな素材を購入したら即ダウンロードして使えるという点。余計なコミュニケーションが必要ないため、コストを抑えることもできます。
デメリットとしては、自社用に作ってもらったわけではないので場合によっては他社と被ってしまうことなどが挙げられます。
ストックイラストはシンプルで汎用性の高いイラストが多いため、個性を出したい場合にはイラストレーターに制作依頼した方がいいかもしれません。
イラスト依頼におすすめクラウドソーシングサイト
ここでは、イラスト依頼におすすめしたいクラウドソーシングサイトを紹介します。具体的には、以下の3つのサイトがおすすめです。
- ランサーズ
- クラウドワークス
- ココナラ
ランサーズ


ランサーズは国内最大手のクラウドソーシングサイトです。
ランサーズは依頼投稿が簡単で、誰でも予備知識なくすぐに始められるのが大きなメリットです。法人が個人に発注する場合にも、法律上必要な書類はすぐに取得が可能です。
会社のニーズに合わせて無料プランから利用できるため、個人や小規模経営でも使いやすいのが特徴です。



私もランサーズはずっと使ってたよ!
私はいくつものクラウドソーシングサイトを利用していましたが、特に多かったのはランサーズです。ランサーズはほかに比べて信頼性の高い企業が多かった印象がありますね。
それと同等に、おそらく質の高いフリーランスも多く登録していると思います。良質な受注者を探したいのであればランサーズはおすすめです。
クラウドワークス


クラウドワークスの最大の魅力は、取引数やユーザー数が国内最大級であるという点。クラウドソーシングサイトと言えばクラウドワークス、といった印象を持っている方も多いのではないでしょうか。
とにかくユーザー数が多いため、仕事を発注した際にも多くのユーザーの目に触れられるのがメリットです。ユーザー数が多い分、低予算でも受注者が見つかりやすいとも言えます。
クラウドワークスも原則的に発注者の手数料は無料です。
ココナラ


ココナラはここまで紹介した2つのクラウドソーシングサイトとは少々経路が違います。
特定のスキルを持っている出品者の中から、依頼したい人を選ぶといった形式のサイトとなってります。
ココナラの魅力は、登録しているイラストレーターの絵を見て直接依頼できるという点。
ランサーズとクラウドワークスの場合は「募集をかけて応募してもらう」という形式でしたが、ココナラは「好きなイラストレーターに発注する」という流れになるわけです。
発注したいイラストにこだわりがある場合に、特にココナラはおすすめです。
「なりたいブログ」でもイラストの受注を行っています


当ブログ「なりたいブログ」でも、イラストの受注を行っています。
「なりたいブログ」管理者・長門繭は現在、書籍や雑誌を中心にイラストレータとして活動しております。
シンプルでちょっとコミカルなイラストをご希望できたら、ぜひ一度お問合せください!
まとめ
以上、この記事ではイラストの依頼に関して以下の内容を詳しく解説してきました。
- イラストレーターにイラストを依頼する流れ
- イラストを依頼するときに決めておくべきこと
- 依頼するイラストレーターの探し方
- イラスト依頼におすすめクラウドソーシングサイト
ぜひこの記事を、イラスト発注の参考にしていただければ幸いです!